チーズ入門講座 5
チーズ入門講座の第5回目は、チーズの栄養学。今日のチーズの種類はいつもより少なめ。と言うことはいつもより高価なチーズが揃ったみたい。シェーブルのローヴ・デ・ガリック、タランテーに、ウォッシュタイプのマンステールAOC、セミハードタイプのモルビエAOC、ハードタイプのボーフォール・シャレ・ダルパージュAOCの5種類。
どんな家畜の乳であれ、その赤ちゃんの成長に必要な栄養分を十分に持っている訳でチーズは、その栄養分を凝縮させたもの。牛乳1リットルから約100gのチーズを得ることができるそうだ。
チーズにはアミノ酸20種の内、必須アミノ酸(体内では作られないアミノ酸のこと)を9種類含んでいて、ほぼ100%に近い高吸収率を誇る。反面、脂肪は分解され脂肪酸となりすぐに消化吸収されコレステロールを上昇することなく体内に残らないそうだ。また糖質もほとんど含まれていない。だからチーズを食べると太るというのは勘違い。
カルシウムは、唯一、日本人に足りないものと言われているけれど、チーズには多く含まれている。チーズより多くのカルシウムを含む食品に、煮干しやひじきがあるけれど、それらと較べてチーズは非常に吸収率が高いので、結果としてカルシウムの摂取にはとても効率がいい。
ビタミンに関してもAはなんと豚肉の60倍も多く含まれているし、リンやミネラルもバランスよく含まれている。リンとカルシウムはエナメル質を強化し、チーズは酸も中和するので虫歯の予防にも役立っているそうだし、最近の研究では制ガン作用もあるんだそうだ。
とまぁホントに優秀なチーズではあるけれど、ビタミンCと繊維質はほとんど含まれてはいないから、野菜やパンと一緒に食べてバランスをとると言うことなし。
で今日のチーズ。
まずは、シェーブルのローヴ・デ・ガリック。今まで食べたシェーブルの中ではダントツに美味しいというか、とろりとして滑らかで爽やか。ローズマリーなどハーブの生育する地域で放牧した山羊から作ったチーズなのでその香りがはっきりと感じられる。飯塚さんはタイムの香りもすると言ってたのでタイムも生えていたんだろう。そう思うとこの山羊たちが伸び伸びとそだっている風景が目に浮ぶような気がする。そんなことを思いながら食べることができるのもこのチーズの楽しみ方なんだな。
これもシェーブルのタランテー。同じシェーブルでもさっきのとはまた全然違うというか、今まで何度か食べたシェーブルに近いのかな。ややパサッとしたところはシェーブルらしいと言えばそうだけど、今までの中では滑らかな口当たり。やや塩が強くピリっとスパイシーで山羊の臭いもちょっとする。これくらいの方がチーズらしい気はする。
最初からこれは美味そうだなぁと思っていたウォッシュタイプのマンステールAOC。滑らかでかつクリーミーで今日の一番のお気に入り。クミンシードをかけて食べてもまた美味しい。ポテトにちょっと熱を加えたこれを載せて食べてみようかと思った。
右がセミハードタイプのモルビエAOC、左はハードタイプのボーフォール・シャレ・ダルパージュAOC。モルビエは、ちょとサンネクテールフェルミエに似てそら豆の香りがした。サンネクテールよりはハードでツルっとしてちょっと、ねっとり。ボーフォール・シャレ・ダルパージュとはアルプスに放牧中の牛のミルクを小屋で作ったという意味でアミノ酸の結晶が見える。塩加減もちょうどよくクセもなくて食べやすい。
本日のワインはアルザス・リースリング2002と廣石ソムリエ差し入れのカベルネ・ソーヴィニヨン・バロンフィール。カベルネの方は先日のオリオン主催のワイン講習会で飲んだのと同じもの。
サラダは、ヨーグルトドレッシングのホウレンソウとマッシュルーム。とっても爽やかで美味しかった。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
rioさん、このチーズはやっぱり地中海沿岸地方のものでした。
だったらやっぱり私が想像したのに近い感じでしょう。
忘れられない味でしたね!
硫黄鳥島に野生の山羊が居るんだ!
それでチーズを作ったらどんな味でしょうね!!
投稿: 飯塚さん | 2004/06/13 0:31:29
未登利さん、解説ありがとう。
文章は修正しました。でその中で、山羊たちが伸び伸びと育っている風景が目に浮かぶようだと書いたのですが、私のイメージは、草が青々と茂っている斜面で向こうに山が見えるような感じだったのですが、未登利さんの解説だともっと岩ゴロゴロで荒涼?としたところなのかもしれないですね。
いつかこの山羊たちを見る機会があればイメージしてるのと違うのもまた楽しいことかもしれないね。
山羊が急斜面を軽々と走ってるさまは見たことあります。
沖縄県の最北端の硫黄鳥島に1週間滞在したことがあるんですが、そこにも野生の山羊がいて急斜面を軽々と移動していました。
私たち、捕まえようと考えたのですが諦めました(^^;
投稿: rio | 2004/06/11 10:01:38
rioさんこんばんは~(^^)。
そう、「与えた」っていうのは人間が餌として「ホレ食べろ」と
刈り取ったものを食べさせるっていうイメージだったから(^^;)。
野生のハーブ、特にあの香りのもとであるローズマリーや
タイムっていうのは相当な荒れ地でごわごわの状態で育っています。
(日本にある庭園式のハーブ園とかでふかふかの土に植わっている
のは本来の姿ではないのです(^^;))
動物がハーブを食べた後って言うのは、もうがしがしに食い尽くすとしか
言いようのない状態。沖縄のふさふさした牧草地に放牧?されている
ヒージャーとは全然違う生い立ちだと想像します。荒れた岩の崖の上に斜め登りする山羊、
って見たことありません?テレビとかで。あんな感じ。
実際地中海地方の野生ハーブはそんな崖や荒れ地に生えています。
(このチーズはフランス中部のですよね?
ちょっと気候的には地中海とは違うと思いますが)
ハーブとハーブでない植物が混植している地域で放牧したから
香りがミルク(肉)にもつく→チーズにもつく、という感じでしょうね(^^)。
でもね、あそこまで強くつくって言うのは、相当たくさん食べているに
違いないですよ。びっくりしました。かなり感動。
長文でゴメンナサイm(_ _)m
投稿: 飯塚さん | 2004/06/11 1:37:18
あれ?与えたという表現自体がまずかったのかな?
与えたというのは、それを食べさせるように、そういう地域(つまりハーブが生えている所)に放牧したというつもりだったのですが。
決して配合飼料にハーブを混ぜたというつもりではなかったのですが、そういう理解ではダメなのかな?
与えたというのは、作る側の意志としてのつもりだったのですが言葉足らずだったかもしれません。う〜ん
ローズマリーなどハーブの生育する地域で放牧した山羊なのでとしたらいいでしょうか?
投稿: rio | 2004/06/11 0:25:01
飯塚さんのおっしゃるとおりです。
私もそういうふうに話したつもりだったんですが。
投稿: 國場 | 2004/06/10 21:06:36
rioさん、どもm(_ _)m漫才仕事相方です(^^;)
以下は想像なんですが・・・
かなり確信を持って書きますけど。
シェーブルのローヴ・デ・ガリックですが、
ハーブを与えた、ではなくて、野生のハーブが
生えている地域で放牧した、んだと思われます。
サルデニアなどでも、野生でハーブが普通の草
みたいにじゃかじゃか生えているところでは
放牧の牛とか羊とか野生の豚とか、みんなそんな
のを食べて育っていますので、肉もその香りが
します。おそらく、日本のブロイラーみたいに
「ハーブを配合飼料に混ぜてみました~ヘルシーでしょ?」
みたいなレベルでは味までは影響しませんから、
野生のをもしゃもしゃ食べて暮らしていた山羊
なんだと思います。だってあれだけ香りが強いっ
てことは、おそらく、そうだと推測しますm(_ _)m
投稿: 飯塚さん | 2004/06/10 16:31:53