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上級10 その他のヨーロッパのチーズと新世界のチーズ

cheese_all毎月第三火曜のチーズ講座上級編。今月(2005/12月)で、この講座も最終回となった。今月のテーマは「その他のヨーロッパのチーズと新世界のチーズ」。本日のチーズは、フェタ、クリームチーズ・ラムレーズン、ヌーシャテル・チョコレート、エピキュア、シェーブル・ノワール、そしてピンザブラン(熟成3週間の白カビタイプと白カビは付けなくて熟成させて白カビと青カビが混在したもの)。

ギリシャは、一人当りのチーズ消費量がフランスに次いで2位という大量消費国で、牧畜が盛んな国でもある。羊はヨーロッパ6位であるけど山羊は1位なんだそうだ。代表的なチーズはなんと言ってもフェタ。
トルコは西アジア有数の工業国であると共に豊かな農業国で料理は世界3大料理と呼ばれるほどに多彩。遊牧民であったトルコ人にとってチーズやヨーグルトはなくてはならないもので代表的なものに乳を山羊の皮袋につめて固めたデリペイニルや麻ひものようなペヤーズ(白い羊のチーズ)などがある。そう言えばトルコ人の知人が昔いたけど、なんとなく日本人っぽいところがあったなぁ。

今日初めて知ったのは日本に輸入されているチーズの47%はオーストラリアで22%はニュージーランドのチーズなんだそうだ。これはちょっとびっくり。これは実際に小売店で販売されているものより原料として輸入されているものが多いからだと聞けばなるほどと思うことではあるね。これはラムの輸入がとても多いけどほとんどはお菓子やケーキに使うためなのと似ている。

オーストラリアのチーズの分類はかなり複雑でチェダーもかなり細分化されている。その中でも青カビのローリング40'sは食べてみたいなぁ。ローリング40'sって、多分吠える40度線のことなんだろうな。

世界第一位の生産量のアメリカではほとんどがチェダーでもっぱらピザやらハンバーグに使われているようだ。その中でもコルビーやモントレージャックはオリジナルチーズ。これも食べてみたい。
カナダではもっぱらミルクやバターに乳が使われていてチーズはもっぱら輸入に頼っているけれど、オカというカナダ原産のチーズがあるそうだ。

fetaフェタはギリシャを代表するチーズ。フレッシュタイプで羊と山羊の混乳。MGは45%。これはよく瓶にオリーブオイルで漬けたものを見かけたりするけど、これはそのままのもの。今回は瓶入りのものも試食した。見た目は水切りした豆腐のようで、ほんのりとゴーティフレーバーがする。やや塩はきつめだけど塩辛くはなく、爽やかな酸味がする。ちょっとぽそっとした食感ながらもクリーミィな感じ。

cream_rum_zクリームチーズ・ラムレーズンはオーストラリアのもので牛乳製でMG70%のフレッシュタイプ。これはもうチーズというよりラムレーズンケーキみたい。クリーミィでラムの香りとレーズンの風味がいいデザートチーズ。何も言わないでだしたらチーズとは思わない人も多そうな感じだな。

nusyarute_chocoヌーシャルテ・チョコレートもオーストラリアの牛乳製でMG45%のフレッシュタイプ。これはさらにチーズらしくなくてまるで生チョコ。ただ食感はチーズっぽいのに後味がチョコレートじゃなくて、なんか不思議な感じがする。味はチョコというよりココアみたいと言うかミロみたいでもある。

epiqyua_zエピキュアはニュージーランドの牛乳製でMG45%のセミハードタイプで熟成は6カ月。デザートチーズの後にこれを食べるとあぁチーズだぁと思ってほっとしたり(^^; ねっとりとしていてコクのあるチーズ。

syeburu_nowaru_zシェーブル・ノワールは以前に食べたことがあるけど、カナダのシェーブル。MGは45%で熟成期間は6カ月。外側は黒いワックスで覆われている。ねっとりとした食感で中にアミノ酸の結晶がシャリシャリとして食感もいいし、今回の中では一番のお気に入りかな。

pinza_wh_blueこれは、はごろも牧場のピンザブランでシェーブル。手前のは通常に白カビを付着させたもので、奥のは何もしないで熟成させたもの。熟成室に存在する白カビがついているけど、青カビも負けてはいない(^^; 

pinza_cut_3week pinza_blue_cut_3week
比べるとやはり白カビだけの方が風味がいい。どちらも3週間熟成のもので外側を見ると白カビタイプのものはいかにも美味そうな感じ。カットしてみるとしっかりと締まったように見える。これが4週間になるとやや皮と中の間に空間ができてとろぉりとしてくるんだけど、その頃のが私には好みなんだけど、今の状態のももちろん美味い。

wine今日のワインは、Greg Norman Estates Sparkling、Sileni 2003 Merlotそれと飯塚さん差し入れのMeyer Fonne Edelzwickerの3本。
Greg Norman Estates Sparklingはピノノワール43%、シャルドネ57%のスパークリングワインですっきりとした味で美味。Sileni 2003 Merloはニュージーランドのもので12〜15カ月オークの樽で寝かされたメルローの赤。フルーティで香りもよくてほどよいタンニン。Meyer Fonne Edelzwickerもフルーティで美味かった。

salada_zチーズの歴史サラダ。新世界であるアメリカを代表するシーザースダラダに紀元前2000年前からチーズ作りを始めたとされるギリシャのフェタをトッピングしてチーズの歴史を現しているのよという國場先生のオリジナル(^^

シーザースサラダは、カリフォルニア州に隣り合ったメキシコのティファナという町のホテル、シーザースパレスのオーナーであったイタリア人シーザー・カルディーニ氏が、1924年の7月14日に禁酒法が施行されていたハリウッドから、お酒を飲むため大挙してやってきたお客さんに食べさせる食材が足りなくなったときに、ありあわせの材料で提供したのが始まりと言うのが有力な説だそうだ。

cake_pineこれも國場先生の自家製ケーキで、パイナップル・アップサイドダウン。とても香ばしくて甘いのだけど、少しもしつこくなくしっとりしてて美味い。写真を撮り忘れたけどアメリカ在住時に買ったというアルミ製の型で焼くととても巧く焦げ目がついていいそうだ。

と言うわけで無事上級講座も今回で終了。今回はテストがなかったけど、来年の2月からは晴れて?研究科に進級できそうです(^^

初級クラスから20回目で毎回6〜7種類食べてるから120以上の種類は食べたことになるのかな。それ以外の美味しいチーズを食べる会やらいろいろ含めたらこの2年間に食べたチーズはそれまでの人生で食べた数何倍にもあたるんじゃないだろうか。それも常に最高に近い状態のものばかりをいただけたのはシアワセ。美味しいものだけ食べていたらそうじゃないものは自然と分かるようになるんじゃないかと思う。そこら辺はデザインとも似ているんじゃないかな。いいもの見てれば自然とよくないものは分かるようになるから。
ただ、少しはチーズに詳しくなった気はするけれど、どうも心もとない気の方がまだまだ上ではある(^^;

料理もいっぱい食べたし、ワインも毎回2種類以上は飲んでるからこのクラスだけでも40種以上。

それにはごろも牧場の県産シェーブルのピンザブランもこの2年間で、チーズ界の注目を集めるまでになったし味もすごくよくなった。その過程をずっと見れたのもよかったなぁ。一番たくさん食べたのもこのチーズではあるな(^^

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