上級4 イギリスチーズ特集
毎月第三火曜のチーズ講座上級編。今月(2005/5月)で4回目。今回は、イギリスチーズ特集。それとは別にシェーブルとかもいただいたので10種類以上と今回も豪華なラインナップだった。今回のチーズをパッと見るとイギリス人は変わったチーズ作るなぁ。ロールケーキや蒸しパンみたいなのがあるぞ。今回のイギリスチーズは、チェダー、モンゴメリー・チェダーPDO、ダラス、シュロップシャー・ブルー、フィルハーブ&ガーリック、スティルトン・ストロベリー。それ以外にシェーブル・ノワール、シェーブル・ゴーダ、ピンザブラン(沖縄の山羊チーズ)の青カビ、白カビ、ブロッチェタイプ。
イギリスでは400種以上のチーズを製造していてタイプとしては下記の6種類。チェダーはさらに熟成のよって5種類の分かれている。
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左は工場製のチェダー。右はモンゴメリー・チェダーPDOでファームハウスというロゴで表示される農家製のもの。両方ともサマーセットのセミハードタイプで牛乳製だけどチェダーは熟成が2カ月に対してモンゴメリーの方は17カ月。チェダーは世界で一番生産量の多いチーズだけど無殺菌乳で作っている農家は4軒しかないそうで、これはその中のひとつでなかなか入手できない貴重品だそうだ。値段も100g945円で普通のチェダーは368円なので倍以上する。チェダーのオレンジ色はベニの木の種子から採られるアナトーと呼ばれる色素で染められている。ちなみにこのベニの木は、竹富島にも植わっているそうだ。このチェダーはまぁ普通に美味しい。しかしモンゴメリーさんの作ってるチェダーは全く別物だ。表面はクロスで被われていて焦げ茶色で中身はクリーム色。味は、やや塩が強い感じだけど、酸味と苦みがいいバランスでアミノ酸が凝縮されたようなコクがある。チェダリングでポロポロしているけれどクリーミーな味わい。
この二つはギネスにとってもあう。ギネスのほろ苦さとチェダーの苦みのマッチングがいい。メンバーにグランドオーシャンのバーテンダーの方がいるのでいい具合にビールを注いでもらえるのも特典だったりするね(^^ ちなみにソムリエの方もいたりするし。
ダラスは、今の季節だけ入手できるアイルランドのウォッシュタイプの牛乳製のチーズ。見た目はルブロションによく似ていて、不定形の気孔が見られる。塩は控えめな感じでねっとりクリーミー。皮がシャリっとした食感でこれはチロシンという酵母のせいだそうだ。
シュロップシャー・ブルーは、レスターシャーの青カビタイプで牛乳製。熟成は8週間。オレンジ色とダークグリーンの青カビのコントラストが食欲をそそる色合い。表面は白っぽい感じ。見た目に比べると余りクセはないけれど鼻に青カビの香りが抜けていく。これもねっとりクリーミーで控えめな塩分と甘みも感じる。これはギネスよりワインにあいそうだな。
フィールハーブ&ガーリックもレスターシャーで牛乳製のソフトタイプ。ロールケーキのような外観は、白い部分はクリームチーズでオレンジ部分はランカスターというチーズ。キャラメルみたいな食感は、以前食べたイエ・オストをちょっと思い出す感じだ。ガーリックが全体をピリっと引き締めているかな。今回はギネスの他は、中国茶と紅茶なんだけど(ワインがでなかったのは初めて)こういうチーズはお茶にもあうデザートチーズなんだな。
ホワイトスティルトン・ストロベリーもレスターシャーの牛乳製でフレッシュタイプ。蒸しパンみたいだと思ったけど切ってみると一度茹でて冷ました脂だらけの三枚肉といった感じがしないでもない。食感はまだ焼いてないクッキー生地のようでもある。味はかなり強い酸味があってストロベリーチーズケーキのよう。知らない人が食べたらチーズとは気づかないかもしれない。これもお茶とか紅茶にあうね。そのまま食べてもいいけど、パンとかスコーンとかに塗ったり載せて食べてもよさそう。
今回は、パン以外にスコーンや、乾燥イチジク、レモンゼリー、杏やジャムの付け合わせが豊富でそれも楽しめた。
先日、はごろも牧場を訪れた方のお礼といチーズを私達も味見させてもらったのがこのチーズ。これはカナダのシェーブル・ノワール。黒いワックスで廻りを被っているのでこの名前があるんだけど中身は山羊乳なので真っ白。歯ごたえはあるけど口の中でとろけてクリーミー。塩味はちょっと強めでしっかりとした力強い味。アミノ酸の結晶のシャリシャリ感がとってもいい。
これはシェーブル・ゴーダ。大きな塊を切り分けたものを写真のスクレイバーの
ようなカッターで薄く削っていただいた。ノワールよりもっと爽やかな感じで、これもアミノ酸の結晶のシャリシャリ感がいい。
さてさてこれは國場先生の昨夜の惣菜らしい。土佐酢に鰹節をかけようとしたらちょうど切れていたのでシェーブル・ゴーダを削ってまぶしたんだそうだ。これなかなか美味い!確かに鰹節もチーズも同じ発酵食品仲間だけど、さすが先生だなぁ。
これはおなじみピンザブラン。沖縄初の山羊チーズ。今回の試食はブロッチェ、青カビ、白カビタイプ。やっぱり5週間熟成させた白カビタイプのが美味い。来週ラ・コールである三国シェフの作るコース料理に使いたいという話があるらしいけど肝心のチーズが間に合わないとか・・・(^^;
これだけチーズを食べたあとにはやっぱり野菜がいい。毎回楽しみなサラダ、今回は野菜たっぷりにスモークサーモン。それにヨーグルトドレッシング。山葵の香りがとてもいい感じ。
さらに、國場先生自家製のストロベリーシャーベット。さっぱりとした酸味と甘さがほっとする一品だった。今回も満足な教室でした〜。
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